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Vol.5 普通じゃないってなんなん?自分が幸せになれる道に進むために。

さく/Saku

PROFILE

大阪出身。20歳。

大阪生まれ大阪育ち。中学校では、バスケットボール部に所属。看護系の専門学校へ進学。小さい頃は女の子として生活。初恋とFTMの友達との出会いを機に、自分の性について考え始める。

《 MENU 》

  1. 小さい頃は、プリキュアが好きな女の子。
  2. この感情は、親友だから?
  3. 人生のキーパーソンとの出会い。
  4. 一途な想いと初めての彼女。
  5. ベースは、自分の生きたいように生きること。
  6. 性格も、恋愛対象も、普通も、人それぞれ。
  7. 自分が一番大事!

 

①小さい頃は、プリキュアが好きな女の子。

 

インタビュアー:「それでは、性について意識していなかった時期について教えてください。」

 

さくさん:「小さい頃は、自分のことは女の子だと思っていたし、男の子が好きでした。髪の毛もお尻くらいまで伸ばしていて、ヘアアレンジとかもしていました。同性が好きとか、そういうことは知らなかったし、まず、異性同士が恋愛して、結婚するのが普通と思っていました。きっと自分もお父さんとお母さんみたいに家族を作っていくんやろうなと思っていましたね。

 

インタビュアー:「では、物心ついたときから変化があったわけではないということですか?」

 

さくさん:「そうですね。スカートも履いてましたし、プリキュアが好きでした。(笑)」

 

インタビュアー:「その頃のさくさんはどんな性格でしたか?」

 

さくさん:「んー、結構だれとでも仲良くなれる感じでしたね。体を動かすことが好きで、ポートボールとかバスケットボールとかいろいろスポーツをしていました。女の子ということは気にせずに、自分として生きている感じでした。

 

インタビュアー:「では、LGBTQのことを知ったのはいつ頃でしたか?」

 

さくさん:「小学校高学年ぐらいの時に、トランジットガールズっていうドラマを見て、女の子同士の恋愛ドラマなんですけど、そこで同性愛があるということは知りました。LGBTQっていう言葉自体を知ったのは、もっと後です。その時は、自分は違うなと思っていましたね。同性愛への理解はありましたけど、こういう人もいるんだなあという感じでした。

 

②この感情は、親友だから?

 

インタビュアー:「ということは、結構LGBTQからはかけ離れていたみたいですね。身近になってきたのはいつ頃ですか?」

 

さくさん:「まず、中学校3年生の時に、同じバスケ部の女の子に対して他の友達といる時とは違うような感情を抱いていて、その子が泣いてたりしたら、守ってあげたくなるような。でもその時は、自分には彼氏もいるし、これは親友として感じている気持ちなんやろうなと思っていました。その後、高校1年生の時に、同じ高校にFTMの人がいることを知って、今では愛棒と呼んでいるほど仲がいい友達なんですけど、愛棒にこのことを話したり、自分で考え直してみたりすると、あの時自分は女の子を恋愛として好きになっていたんじゃないかなと思いました。それから、自分の恋愛対象が女の子になることもあり得るんやなって考えるようにもなりました。」

 

インタビュアー:「それまでは男の子を好きになることが多かったのですか?」

 

さくさん:「んー、男の子を好きにならないといけないと思っていましたね。だから、その女の子に特別な感情を持っていた1年間くらいは、同性愛とかがあるってことはわかっていたんですけど、自分がそうなることに対して、偏見というか、そういうのはあって、モヤモヤしていました。そのことを愛棒に言ったら、なんかほっとして、自分に嘘をつかなくてよくなったというか、すごく生きやすくなりました。」

 

③人生のキーパーソンとの出会い

 

インタビュアー:「愛棒さんは、さくさんにとってどのような存在になっているのですか?」

 

さくさん:「愛棒は、自分の人生のキーパーソン的な存在になっています。初めて出会ったとき、自分はFTMだから、友達になりたくなかったらならなくていいよって言われたんです。その時にFTMを知ったけど、自分は愛棒を毛嫌いすることはなかったし、今では一番仲がいいです。愛棒の考え方とか生き方がめっちゃかっこよくて、本間にこんないい人と出会ったことないって思うくらい尊敬していて、みんなに自慢したいと思うくらいです。(笑)LGBTQ以外でも、お互い熱い人間なので、深い話をよくする友達ですね。」

 

インタビュアー:「高校時代のお二人はどんな感じだったんですか?」

 

さくさん:「文化祭で司会とか漫才とかしました。二人とも表に出るタイプだったので、はしゃいでいましたね。調子乗ってました。(笑)でも、そのおかげで人生が明るくなりました。」

 

④一途な想いと初めての彼女

 

インタビュアー:「なるほど、恋愛面での転機は、愛棒さんに出会って訪れたのですね。では、先程話していた親友さんには、自分の気持ちを伝えられたのですか?」

 

さくさん:「そうですね、伝えることができました。自分、あきらめがつかないタイプで、それから5,6回はその子に告白しましたね。(笑)振られましたけど。(笑)」

 

インタビュアー:「すごいですね。成功したのですか?」

 

さくさん:「いや、ダメでしたね。高校1年間丸々その子が好きでした。でも、その間にも男の子を好きにならないといけないという想いと葛藤していました。日によって服装をメンズにしたり、レディースにしたりして、すごい迷走していましたね。

 

インタビュアー:「その恋愛を乗り越えることはできましたか?」

 

さくさん:「時間はかかりましたが、今の彼女のおかげで乗り越えられましたね。彼女は自分に気持ちを伝えてくれて、まだ少し未練はあったけど、彼女ってどんなんやろうって思って付き合いました。」

 

インタビュアー:「初めての彼女はどのような感覚でしたか?」

 

さくさん:「男側?って言ったらいいのかわからないですけど、クールにふるまうことがかっこいいと思っていて、そのせいか1か月で振られちゃいました。(笑)でも1年後にまた告白してくれて、今も付き合っています。彼女はバイセクシャルで、自分のことを恋愛対象としてちゃんと見てくれますね。だから、男の子として生きていきたいなと思うこともあります。女性同士のカップルであることを隠したいわけではないし、むしろきれいな事だと思うけど、やっぱり世間の普通には負けてしまうというか、、、。彼女と手をつないだりしたいし、かっこよくありたいというか。彼女のためでもあるけど、自分も生きたいように生きています。」

 

⑤ベースは、自分の生きたいように生きること。

 

インタビュアー:「今は自分がLGBTQであることに対して違和感などはないですか?」

 

さくさん:「そうですね、自分が同性愛者だということを認めたり、人に話したりすることは勇気がいることやし、同性愛と気持ち悪いって言われたこともあるけど、自分が幸せやったら周りからどう見られてもいいなって思います。周りが自分のことを女の子としてみていたらそれでいいし、男の子ならそれでいいです。何を言われても、自分はこれが好きだからいい!って割り切っていますね。

 

インタビュアー:「これから先で、今の自分が変わってしまうかもしれないとかそういう不安などはありますか?」

 

さくさん:「今は、服装もなんでもメンズ系で考えているけど、それがもし、スカートを履いたりするようになっても、その時の自分の楽しみ方があるし、それはそれでいいと思います。自分のベースは、自分の生きたいように生きることなので。

 

インタビュアー:「めちゃめちゃポジティブですね。ネガティブになるようなことはないですか?」

 

さくさん:「そうですね。(笑)前向きに生きないと、いろいろ考えていたらしんどいじゃないですか。ネガティブになるときもありますよ。自分看護師を目指しているんですけど、看護師って女の子が多くて、実習の服とかもワンピースみたいで、女の子っぽいの嫌だなあって思います。でも自分のしたいことのためなら全然苦じゃないっていうか。なるようになるって思います。(笑)」

 

インタビュアー:「では、自分の過去と現在を比べて思うことを教えてください。」

 

さくさん:「んー、今のところ自分は女の子が恋愛対象で、結婚願望もなくて、親には申し訳ないけど、普通に結婚して子供を作ることはできないなと考えることがあります。でも、親も自分が幸せやったらそれでいいって思ってくれているし、今の自分があるから、偏見とか差別もなく考え方が広くなったし、素直に生きることができてて、彼女もいて、昔よりは今の方が人生楽しんでいるなと感じますね。まあその時はその時で楽しかったやろうけど、今の自分はとても好きです。」

 

⑥性格も、恋愛対象も、普通も、人それぞれ。

 

インタビュアー:「さくさんがLGBTQの当事者の方に対して行っている心がけや取り組みなどはありますか?」

 

さくさん:「自分は普通っていう言葉が嫌いで、人それぞれ普通が違うのに、普通っていう言葉だけで全部まとめられるのは、なんか違う気がしますね。取り組みはしていませんが、人に隠すことはしていないです。自分は同性愛者だから特別ということではなくて、自分の好きなように生きてて、それで周りが嫌がるなら、それは別にいいやんっていうスタイルで生きています。

 

インタビュアー:「この心がけや取り組みが、どんな風に伝わっていってほしいですか?」

 

さくさん:「男女カップルが多い世の中で、同性カップルの理解を増やしたいとか、わかってくれよ!っていうことじゃなくて、人それぞれ性格が違うように、恋愛対象も違うってことを知ってほしいですね。

 

⑦自分が一番大事!

 

インタビュアー:「では最後に、このインタビューをそんでいる人に伝えたいことがあれば教えてください。」

 

さくさん:「やっぱり、自分は一番大事にして、かわいがってあげてもいいんじゃないかなって思います。周りに人が減っていっても、俺らおるで!メシ行こ!って言ってあげたいですね。(笑)カミングアウトを受けた人は、そのことを受け入れられなくてもいいと思います。それぞれ考え方があるし、その子に対して嘘をつくんじゃなくて、言い方に気を付けながら、正直な事を言ってあげる方がいいと思います。無理やり話を合わせても、どちらかが幸せになれないので。」

 

 

明るくて前向きな考えのさくさん。

終始おちゃらけキャラ全開。面白さだけではなく、自分の深い考えをまじめにお話してくれる場面もありました。

インタビューを受けてくださり、ありがとうございました。

 

 

 

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